※弊社はアメリカの留学斡旋は行っておりません。客観的な立場からの見解を伝えます。
実際の体験者達の声『人生を変えるか、明日からやるで終わるか』
ここが本特集の核心だ。パンフレットには載らない「リアルな痛み」と「成功の代償」を、2人の証言から紐解く。実際にインタビューを敢行し内容をまとめた。
INDEX
FILE 01:Aさん(デンバー大学(NCAA)出身)
「J1以外は考えてなかった」僕が、アメリカで年間600万の評価をもらうまで
正直、J1以外は眼中にありませんでした。
高校の頃はJリーグに行くこと、それもJ1しか考えてなかったですね。1年から試合に出ていたし、自信もありましたから。「アメリカ留学」なんて選択肢、これっぽっちも頭になかったですよ。
流れが変わったのは、高3の2月です。 もう進路を決めなきゃいけないギリギリの時期に「オープントライアウト」に参加したんです。そこで初めて知ったんですけど、アメリカってサッカー部のある大学が2,000校もあるんですよ。「え、そんなにあるの?」って。日本とは分母が違いすぎる。
英語に少し興味があったのもあって、「あ、これアメリカ行くのもアリだな」って、そこで急に舵を切った感じです。
「黙ってる」と、パスが来ない
向こうに行って最初に食らったのは、やっぱり言葉の壁……というか「文化の壁」ですね。僕、デンバー大学っていうところに行ったんですけど、最初はTOEFLの点数が足りなくて語学学校からのスタートでした。
で、向こうの練習に参加して痛感したのが、「意見を言えない奴は相手にされない」ってこと。日本だと、監督の話を黙って聞くのが普通じゃないですか。でもアメリカは違う。「お前はどう思う?」って聞かれた時に、英語が下手でもいいから何か返さないと、「あ、こいつは意見がないんだな(=ここにいる意味がない)」って判断されるんです。
黙ってると、本当にパスが来なくなる。 これはキツかったですね。まあ、体は慣れてくるんで大丈夫なんですけど、「英語を話せるかどうか」より「意見を言えるかどうか」の方が大事なんだなって、向こうに行ってすぐに気付かされました。
年間600万円の奨学金と、勉強のリアル。
アメリカの大学サッカーって、良くも悪くも契約社会です。僕は大学から、年間600万円くらいの奨学金をもらっていました。学費も生活費も、サッカーの評価として免除される。
その代わり、勉強はめちゃくちゃ厳しいです。「成績(GPA)を取らないと試合に出られない」っていうルールが絶対にあるんで。どんなにサッカーがうまくても、成績が悪かったら即アウト。
だから遠征中のバスとかでも、みんな必死にPC開いて課題やってますよ。僕もやりました。
ただ、大学側もそこはドライじゃなくて、僕らみたいな選手には専属の家庭教師をつけてくれるんです。もちろん費用は大学持ちで。 「試合に使いたいから、なんとしてでも勉強させる」っていう、大学側の執念みたいなものを感じましたね(笑)。
9月から12月、短期決戦。
シーズンは短いです。9月から12月まで。この期間に凝縮してやる感じです。週2試合とか普通にあるんで、移動して、試合して、勉強して……っていう繰り返し。
逆にそれ以外の期間はスカウト活動だったり、トレーニング期間だったりするんで、オンとオフがはっきりしてて僕は好きでしたけどね。
どうやって入るか? シンプルに3つ
これから目指す人のために、具体的な入り方を言っておくと、決まる要素は3つだけです。
1. オファーをもらう(自分のプレー動画を送ったりして)
2. TOEFLの点数
3. 高校の成績
これだけです。
スケジュール感でいうと、高3の5月には「行く」って決めてないと遅いかな。早い選手は10月には決まっちゃうんで。あと、高3の2月にディズニーが主催してる「ショーケース」っていうデカい見本市みたいなイベントがあるんです。これに参加できるとチャンスは広がりますね。リミットは卒業した直後の4月頭くらいまでだと思ったほうがいいです。
エージェント(紹介会社)ですか? 日本に大手と言われるところが3つくらいありますけど……ぶっちゃけた話、どこもそんなに変わらないです(笑)。 やれることは一緒なんで。担当の人と話してみて、「あ、この人と合うな」っていうフィーリングで決めていいと思いますよ。
行く意味
もし迷ってるなら、僕は行ったほうがいいと思います。
理由はシンプルで、「自分の意見を言えるようになる」から。日本で空気を読んで生きてきた自分が、強制的に変えられる。
あとは単純に英語力ですね。英語ができるだけで、サッカー以外の道も含めて選択肢が一気に増える。これ、本当にデカいです。
いろんな国の奴らがいて、いろんな考え方があるんで、「普通こうだろ」みたいな偏見もなくなりましたし。
覚悟がないなら、やめたほうがいい。
もちろん、失敗して帰っちゃう人もいます。
よくあるのが、日本人だけで固まって、愚痴ばっかり言って、結局英語も伸びずに終わるパターン。あとはホームシックかな。「英語は現地に行かないと身につかない」っていうのは本当ですけど、「行けば誰かがなんとかしてくれる」と思ってるなら、やめといたほうがいいです。
向こうは、自分をさらけ出して、自分でなんとかする場所なんで。大きな投資ですし、環境も劇的に変わる。
それを「全部自分の血肉にしてやる」っていう覚悟があるなら、アメリカは最高の場所だと思いますよ。
大人ができるのはきっかけ作りだけで、あとは「知らん、自分で這い上がってこい」って突き放して見守るくらいが、ちょうどいいんじゃないですかね。
FILE 02:Oさん(留学年数4年、その後アメリカの会社に勤務)
オファーは日本全体で年10本。これが「椅子取りゲーム」の現実です。まず、数字の現実を見ましょうか。
夢を壊すようで悪いんですが、最初に言っておきますね。
日本中の高校生がアメリカを目指す中で、ちゃんとした「オファー」をもらえる数ってどれくらいだと思います?
年間で、せいぜい10件です。
日本全体で、ですよ?それ以外の何百人という選手は、オファーなしでトライアウトを受けに行くか、あるいは「お客様」として渡米しているのが現実です。
この狭き門を巡る椅子取りゲームなんだってことは、まず理解しておいたほうがいい。
「年間400万」は高いか、安いか。
お金の話もしましょう。
アメリカ留学にかかる費用は、平均して年間400万円くらいです。(※2015年頃の相場。現在はさらに高騰している)
「高っ!」って思いますよね。でもこれ、内訳をよく見てほしいんです。
授業料だけじゃない。寮費、食費、保険、そしてチームの遠征費。これら「生活のすべて」が含まれたパック料金なんです。日本の私立大学に行って、一人暮らしさせて、遠征費払って……ってやってたら、実はそこまで変わらないかもしれない。そこは冷静に計算したほうがいいですね。
NCAAのDIV1は、「金が出ないプロ」です。
目指す場所についても整理しましょう。
NCAAっていうのが、いわゆる名門大学が集まるリーグです。ここのトップ、DIV1(ディビジョン・ワン)は凄まじいですよ。
ウェアからスパイクまで、メーカーから全部支給される。移動はチャーター機だったりする。
僕らはよく「お金が出ないプロ」って呼んでますけど、環境は完全にプロそのものです。DIV2でもウェア支給くらいはありますけど、やっぱりDIV1の待遇は別格ですね。
100万円のオファーが来たら「万々歳」だと思ってください。
で、みんなが気にする「奨学金」の話。
中には年間600万円、つまり「全額免除」をもらってくるバケモノみたいな選手もいます。でも、それは本当に一握り。
平均すると、だいたい100万円くらいのオファーが来ることが多いです。「たった100万?」って思うかもしれないけど、元が取れるかわからない留学生に大学が100万出すって、すごいことなんですよ。だから、もし100万のオファーが来たら「万々歳」だと思ったほうがいい。そこで高望みすると、チャンスを逃します。
「勉強できないと退部」。脅しじゃないですよ。
スケジュールは、秋学期が9月〜12月、春学期が2月〜5月。
とにかく動き出しが早ければ早いほど有利です。枠が埋まっちゃうんで。
最後にもう一つだけ、厳しい現実を。
向こうは「文武両道」なんて生ぬるいスローガンじゃありません。 勉強ができないと、試合には出られません。
基準の成績を下回ったら、練習着すら着させてもらえない。最悪の場合、退部とか退学もあり得ます。
「サッカーしに行くんだから勉強なんて」っていう甘えは、アメリカでは一切通用しない。そこだけは覚悟して行ったほうがいいですね。
最終回では、PLAYMAKER三橋が考える”最もコスパの良い留学ルート”と、この特集の結論をお届けする。